2017年8月17日、台湾にてASUSの最新スマートフォンである「ZenFone4」シリーズが発表されました。
日本での販売開始時期は執筆時点(9月1日)では未定ですが、台湾では販売が開始していてAmazonでも並行輸入品を販売する業者が出てきています。
国内版の発売日が2017年9月23日に決定しました。
ZenFone3の時と同様に、MVNO各社で取り扱いがされるようです。
詳細はこのページの最後にまとめてありますのでご覧ください。
昨年のZenFone3の際はいわゆる「おま国」価格での販売だったこともあり、僕は海外版を購入してレビューしています。
【ZenFone 3(ZE520KL)】購入レビュー!コスパ抜群のSIMフリー端末でした – ビルメンデス
今回も同様に、日本では値上げした状態での販売が予想されるので海外版を購入しておくことにしました。
数日触ってみましたので、前モデルであるZenFone3との比較をしながらレビューしていきます。
ZenFone 4(ZE554KL)のスペック・特徴
※赤字が国内版のスペック
スペックはこんな感じ。
SoCとメモリが異なる「通常モデル」と「上位モデル」がありますが、国内販売時は通常モデルのみの販売になりそうな感じがします。(ZenFone3(ZE520KL)もメモリ4GB版が存在したが、日本での取扱いは3GB版のみだった)
国内版は「上位モデル」が販売されるようです。
この記事は通常モデルのレビューですが、SoCとRAM以外は同一のスペックですので参考になるかと思います。
安価でスペックはそれなり、というのが僕のSIMフリー端末に求めるところということもあって、今回僕が購入したのは「通常モデル」です。
通常版に搭載されている「Snapdragon 630」はミドルクラスのSoCで、ZenFone3に搭載されていたSnapdragon 625の後継機種。
CPU性能は625から10%、GPU性能は30%の向上しているとのことです。
詳しいベンチマークは後述します。
その他、ZenFone3との比較としては
- 画面サイズ 5.2→5.5インチ
- ROM 32GB→64GBにアップ
- RAM 3GB→4GB(6GB)にアップ
- バッテリー容量 2650mAh→3300mAhにアップ
- デュアルカメラ仕様
- 指紋認証センサー位置 背面→前面に変更
- 発表時価格 249ドル→399ドル
といった違いがありますね。
カメラ性能に注力しつつ、その他は正当なレベルアップといったところでしょうか。
しかし、発表時に海外価格が2万円台だったZenFone3と比べると、4万円台(通常モデル)となってしまったZenFone4はインパクトとしてはちょっと弱いかなというのが正直なところ。
ASUSとしては高級路線に持っていきたいのかなというのが感じられますが、消費者はそっちを求めてないんだよなぁ…と個人的には感じます。
ZenFone3の事例を考慮すると、国内での販売価格は5万円を超えてくることになりますが、そうなってくるとHUAWEIの現行フラッグシップ機であるP10やiPhone SEなど強力なライバルが候補になってきますし…
国内での販売価格の発表が気になるところです。
ZenFone3の時とは異なり、国内版も海外版と同程度の価格で発売されます。
しかし、上位モデルのみの為やはり価格は5万6800円(税別)と少々高めです…。
開封の儀
というわけで、Amazonのマーケットプレイスにて購入した実機が届いたので開封していきます。
マットな質感の外箱。Apple製品のような高級路線に寄せてあります。
“WE LOVE PHOTO” ということで、ZenFone4がカメラに注力したシリーズだと伝わってきますね。
中身は
- ZenFone4 本体
- USB Type-Cケーブル
- ACアダプタ(5V 2A)
- イヤホン
- イヤーピース
- 内箱
台湾版はACアダプタも日本でそのまま使えるタイプです。
内箱の中身。
- 取扱説明書
- 保証書
- TPUケース
標準でTPUケースが付属しています。
これは地味に嬉しいポイントですね。純正だけあってボタン箇所のカットは完璧でした。
外観レビュー
フロントはベゼルの狭い最近のスマートフォンでよく見られる感じ。
ほぼiPhoneやGalaxyと同じような見た目で、よく見なければ違いは分かりません。
これでもかという程キラキラなスピン加工の美しい背面。
ZenFone3の時とは違い、カメラもフラットになってミニマルな感じになりました。
個人的にはこちらの方が好みです。
右側面は電源とボリュームキー。
上部。
左側面。SIMスロットのみ
底部。3.5mmオーディオジャック、USB Type-C端子、スピーカー。
ZenFone3では上部にあったオーディオジャックの位置は変更になっていますね。
ナビゲーションキーもZenFone3では印字タイプだったものがバックライトのものに変わりました。
SIMスロット。
DSDS(デュアルSIM デュアルスタンバイ)対応ですが、SIM2はmicro SDカードとスロットが共通の為、併用はできないZenFone3と同様の仕様です。
また、SIMのサイズはnanoになっています。
ベンチマーク
トータル7万点弱と、6万2千点ぐらいだったZenFone3からは緩やかなスペックアップといった数字です。
以前レビューしたZenFone3と比較すると
3Dのスコアが大きく上がっている以外はほとんど変化はありませんね。
RAMはZenFone4の方が4GBで、1GB増えているはずなのにスコアは低いのがちょっと謎ですが…
ともかく、Snapdragon 630の「(625から)CPU性能は10%、GPU性能は30%の向上」というのはおおよそ正しいことが分かります。
なお、上位モデル(国内版)のSnapdragon 660、RAM 6GBのAntutuスコアは約11万点と、ハイスペックモデルと言えるスコアが出ています。
使用感
レスポンス
AntutuスコアではそこまでZenFone3と変わらないように思えますが、実際に使ってみると細かなレスポンスの差を感じますね。
アプリをタップしてから起動するまでの時間が、1秒に満たない程度ではありますが早くなっていることが実感できます。
些細な差かもしれませんが、こういった点が日常使いでは結構大きいんじゃないかなと思います。
ディスプレイ
ZenFone3と同様のフルHD(1920×1080)です。
5.5インチにアップしたということもありますが、ベゼル幅がかなり狭いので比較するとかなり画面が大きくなったように感じます。
ZenFone3の時から綺麗なディスプレイだったので特に文句はありませんが、徐々にフルHD以上の解像度のスマートフォンも増えつつあるのでこの辺りは頑張って欲しかった感じもしますねw
バッテリー
ZenFone 4(ZE554KL)のバッテリー容量は3300mAhと、ZenFone3(ZE520KL)の2650mAhから大幅に増えました。
ZenFone3の容量でもそこまで不便は感じていませんでしたが、やはりバッテリーは多ければそれだけ良いですねw
省エネSoCであるSnapdragon 6 シリーズにRAM 4GBという事で、体感のバッテリー持ちはかなり良いです。
また、付属のACアダプターでのみのようですが、5分の充電で2時間の通話・36分で50%まで充電できる急速充電にも対応。ASUS独自規格(BoostMaster)のようで、クアルコムのQuick Chargeとは別枠ですがZenFone3は対応していなかった急速充電対応なのも嬉しいですね。
スピーカー・イヤホン音質
スピーカーについてはZenFone3と聴き比べても大差なし。
まぁスマートフォンのスピーカーならこんなところでしょうといった感じですが、イヤホン経由は比較すると結構な違いがありました。
イヤホンジャックを経由するとZenFone4の方が音のこもった感じになり、比較するとZenFone3の方が耳馴染みが良く音がフラットです。
どうやらこれはイヤホンジャック経由が原因のようで、愛用しているBluetoothイヤホン(QCY QY19)では感じられませんでした。
今後のアップデートに期待したいところ。
アップデートでかなり良くなりました。
【設定>音とバイブレーション>オーディオウィザード】と進むとかなり細かく設定できます。
指紋認証
相変わらずめちゃくちゃ早いです。
センサー位置がフロント側になったので、机に置いた状態で使う時など背面センサーのちょっとした不満が解消されました。
とは言え、ポケットから出しながらロック解除できたりと背面の良さももちろんあるのでこの辺りは好みもありますね。
ツインアプリ
Xiaomi等、中華系スマートフォンでは良く見られる「1台のスマートフォンで2つのアカウントを利用できる」機能がZenFone4から導入されました。
対応しているアプリに限られるようですが、Twitter、Instagram、Facebook、LINEなど主要なSNSはほぼ対応しているので実用性は高そうです。
僕は複数アカウントを使い分けるほど器用じゃないのであまり意味はなさそうですが、複数を運用している方にはかなり魅力的な機能ではないでしょうか?
カメラ性能比較
ZenFone4はカメラ性能に注力したモデルということで、ZenFone3との比較写真を掲載しておきます。どちらも標準のオート設定で、ブログ掲載用にファイルサイズの調整のみ行っています。(「Caesium」を使用)
ソニー製IMX362センサーを採用した0.03秒高速AFは使い勝手としてはかなり良かったです。
食べ物
↑ZenFone3(ZE520KL)
↑ZenFone4(ZE554KL)
風景
↑ZenFone3(ZE520KL)
↑ZenFone4(ZE554KL) 通常
↑ZenFone4(ZE554KL) 広角モード
デュアルカメラで広い範囲を撮影できるように進化しているのがよく分かります。
色味もZenFone3より肉眼で見たものに近い仕上がりですね。
技適について
9月1日現在、台湾版ZenFone4(ZE554KL)では技適表示が確認できません。
ZenFone3の海外版でも技適表示は無かったことを考えると、国内販売された場合でも海外モデルに技適が付く可能性は低そうです。
利用には注意が必要です。念のため。
総評
前モデルであるZenFone3と比較すると、地味ながら確実な進化を遂げているというのが使ってみて感じた印象です。
特に、カメラ周りは明確にパワーアップしていますし、GPU性能が明確に向上したSnapdragon 630にRAM 4GBでゲームをプレイする方にも嬉しいスペックアップと言えます。
国内版(Snapdragon 630 / RAM 6GB)であれば、高負荷なゲームもサクサクのハイスペックモデルと言える性能なので長く使っていけそうですね。
価格面が少し気になりますが、それ以外は総じて優秀なSIMフリー端末と言えるスマートフォンでした。
おわり