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【ビルメンの資格】4点セットって何?資格の難易度、必要性について徹底解説【二種電気工事士・危険物乙四・二級ボイラー・第三種冷凍機械責任者】

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ビルメンテナンス(設備管理)業では必須とも言われるビルメン4点セットってご存知ですか?
 
ビルメンは電気、空調、衛生etc…と、幅広い知識が求められる仕事です。
 
専門業者ではないので「広く浅く」くらいでも実務はやっていけますが、全くの素人では専門用語も理解できないですし、トラブルが発生した際に何が悪いのかと予測する事もできません。
 
ビルメン4点セットとは、そういった知識を身につけることができるビルメンテナンス・設備管理業務の基本となる資格を指しています。
 
具体的には、
  • 第二種電気工事士(二電工)
  • 危険物取扱責任者乙種4類(乙四)
  • ボイラー二級技士(二級ボイラー)
  • 第三種冷凍機械責任者(三冷)
 の4つの資格です。
 
この記事では、資格の難易度やビルメンになる為に本当に必要なの?なんて事を書いていきたいと思います。

ビルメンの資格は本当に必要なの?

上記の4点セットのうち、

ビルメンの仕事で本当に必要になってくるのは第二種電気工事士だけ、と言っても過言では無いです。
 
と、言うのは、
ビルメンの業務としてよくある
 
・照明器具に使われている安定器の交換作業
・コンセントの設置や移設
 
などは、電工の免許が無ければ行ってはいけないと法律で定められているからです。
厳密にはビルのような高圧受電の建物では、電気主任技術者の監督下であれば無資格でも工事は可能です。
しかし、電気の知識が無い人にやらせるのは怖いという意味で資格は欲しいです。
 
安定器の交換作業やコンセントの工事というのは、やってること自体は大した事じゃないものの、火災や停電のリスクがある以上、余程のブラック現場でもない限りは無資格者にやらせる事は通常ありえません。
 
と言うか、そんな会社や現場に当たってしまったのならすぐ辞めるべきですね。
 
低圧とは言え、照明やコンセントの100ボルトでも人は死ぬレベルの事故が発生する可能性があります。自分の身は自分で守りましょう。
 
ビルメンを目指す、もしくはビルメンになったけど、資格は何を取ればいいのだろう、という人は、まずこの第二種電気工事士の取得を目指すのがベターかな、と思います。
 
 
その他の資格の重要度は、現場にある設備にもよりますが
正直、五十歩百歩感が…
 
現に、僕が未経験から転職した際に持っていた資格は電工と乙4だけでした。
 

4点セットの難易度は?

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ビルメン4点セットは、設備系の資格としては初級のものばかりですが、順番を付けるなら
 
二電工=三冷>二級ボイラー>乙四
 
と言ったところでしょうか。
 
 
二電工と三冷は受ける人によって体感が違うかもしれません。
二電工の2次試験は実技なので、不器用な人には冷凍機より難しいかと思います。
 
とは言え、あくまで4点セットレベルの資格なら(電工の実技も含めて)過去問演習と暗記だけで合格できるレベルです。
 
勿論、ある程度真剣に取り組む必要はあります。
 
ここからは各資格についてのもう少し細かな説明をしていきます。
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第二種電気工事士

取得優先度:★★★★☆(必須レベル)
先程も書いた通り、ビルメン4点セットの中では最も重要な資格です。
 
求人サイトなどを見ても、電工が条件のビルメン求人は沢山あるだけでなく
ビルメン以外にも道が開ける可能性の高い資格。
 
自宅のコンセントを増設したりと、日常生活にも生きる資格なのでお得ですね(笑)

 

試験は年に2回、6月ごろと10月ごろに行われています。

以前は年に1度しか受けられませんでしたが、現在では年2回の受験が可能となりました。

筆記試験と実技試験に分かれていて、筆記試験合格者がその後の実技試験に進むことができるという流れです。

 

第二種電気工事士の難易度

難易度:★★★☆☆
学習期間:1~4ヶ月

第二種電気工事士の筆記試験の合格率は50~60%ほどです。

計算問題もありますが、過去問がそのまま出題される事も多いので、試験の合格だけなら暗記で乗り切れてしまう程度の難易度ですね。

 

第二種電気工事士の実技試験の合格率は60~70%ほどです。

こちらは毎年13個の課題が事前に公表されて、そのうちのどれか1つがランダムで出題されるというもの。

引用:http://www.denko-kunren.jp/2014/jonson/electricity.html

実際に電線の被覆を剥いて、スイッチやコンセントなどを結線し、この画像のようなものを実際に作ります。

試験時間は40分ですが、しっかり練習していないと結構ギリギリです。

不器用な人は要練習ですね。

僕は全問題を3回ずつは通しで練習し、30分以内で施工できるようにして本番に臨みました。

 

第二種電気工事士は筆記と実技を合わせて、合格率60%程の資格です。

対策をちゃんとすれば必ず合格できるレベルの資格なので、ビルメンを目指すならまず第二種電気工事士の取得を目指すのがおすすめです。

 

具体的な学習方法についても解説していますので、是非読んでみてください。

 

危険物取扱責任者乙種四類

取得優先度:★☆☆☆☆(後回しで良い)

年間の試験回数も多く、ビルメンの資格の中では(おそらく)一番所持率が高いであろう
登竜門的な資格。
これを持っていると、ガソリンスタンドでのバイトにて、時給アップが見込めます(笑)
 

4点セット入りしているのは、

・ボイラーの燃料に重油が使用されている
・非常用発電機の燃料にA重油(軽油)使われている

といった点が理由かと思います。

 

ただ、資格が生きる場面はかなり少ないというのが正直なところです。

一部、乙四にも資格手当を出す会社もありますが、金額も大したことがない(月1,000円程度)場合が多いですね。

形骸的に4点セットと呼ばれているだけで、実務的には消防設備士の方がよっぽど役立ちます。

試験回数も多いので、取ろうと思えばいつでも取れるといった感覚が強い資格です。

 

危険物取扱責任者乙種四類の難易度

難易度:★☆☆☆☆
学習期間:1週間~1ヶ月

危険物取扱責任者乙種四類の合格率は30%ほどの資格になっています。

 

合格率としてはあまり高くないので

「え?簡単な資格じゃないの?」と思われるかもしれません。

しかし、これの実態は仕方なく受験しているやる気のない記念受験者が結構多いことが原因です。

僕の居た高校でもそうでしたが、工業高校だとクラス全員で受けに行ったりしています(笑)

そりゃ受けたくもない人が多数いるなら合格率も…というお話。

 

実際の難易度としてはそこまで高くなく、とにかく過去問をとけば合格できると思います。

過去問がそのまま出題されるケースも多く、合格を目指すだけならそれで十分でしょう。

体感的にも、4点セットの中では一番簡単でしたね。

 

テキストはAmazonレビューの評価も良いこちらがおすすめです。

本番に全く同じ問題が何問か出題されるほど精度の高い新問題が掲載されています。

 

ボイラーニ級技士

取得優先度:★★☆☆☆(余裕があれば)

ボイラーを使う現場が減ってきていることもあって、需要が下がってきている資格。

実際、僕の居る現場も昔はあったそうですが、現在は跡地があるのみで熱源はヒートポンプになっています。

 

ですが、これはオフィスビルでの話。

温泉街など、まだまだボイラーが利用されている現場もたくさんあります。

最近では免許の必要が無い「小規模ボイラー」が普及してきており、大型の熱源が必要な現場でないと資格が生きないことも多いです。

 

試験自体は講習受講前でも受験できるようになったので、少しだけ敷居は下がった感じがありますね。

4点セットの中では、唯一講習の受講が必須となっている資格で、3日間の実技講習を受けなければ免状が発行されません。働きながら取得するには地味に面倒かも。

(やたら僻地に講習会場があるケースが多いです)

 

ボイラーニ級技士の難易度

難易度:★☆☆☆☆
学習期間:2週間~1ヶ月

ボイラーニ級技師の合格率は60%ほどです。

 

問題のレベルとしては乙四と大差なく、過去問からの出題が多いという試験傾向も同じです。

試験の合格だけを目指すなら、とにかく過去問をしっかりやっておけば大丈夫でしょう。

むしろ、取得のために実務講習が必要なのがネックな感じです。

 

テキストはこれがおすすめ。

イラストが多めなので、講習を受ける前でもある程度イメージが湧きやすいです。

 

テキストでイメージを掴んだあとは、ひたすら過去問を流せばOKです。

 

第三種冷凍機械責任者

取得優先度:★★☆☆☆(余裕があれば)

これまた需要が下がってきている資格と言われています。

理由はボイラーと同じく、冷凍機を使わない現場が増えているからです。

 

しかし、冷凍サイクルの仕組みや冷媒についてなど、空調の知識として持っておいて損はない資格かと思います。

ビルメンの実務においても空調のトラブルは起きやすく、テナントへの説明を行わなければならない場面は多いです。そういった時に、資格で理論武装していて助かったな~と感じた場面はかなり多いです。

 

また、2015年からフロン排出抑制法」が施行されたこともあり、今後は冷凍機械責任者の需要が以前より増す可能性はありますね。

(『“十分な知見を有する者”が機器点検を行う際に自ら実施、もしくは立ち会う必要がある』という内容があり、“十分な知見を有する者”に冷凍機械責任者が含まれている)

 

他の4点セットの資格と比べると、

・試験が年に1度だけ
・クセのある出題方法

という理由で、個人的には一番難しく感じた資格ですね。

(僕はニ冷を持っていますが、資格の傾向としては三冷も同じです)

 

他の資格なら

【以下の選択肢から間違っているものを1つ選べ】

①.犬は動物である
②.猫は動物である
③.ネズミは植物である
④.馬は動物である

答え ③.ネズミは植物である

 

となっているようなところを、冷凍機の場合だと

 

【以下の選択肢から正しいものを1つ選べ】

イ.犬は哺乳類である
ロ.猫は哺乳類である
ハ.ニワトリは哺乳類である
ニ.亀は哺乳類である
ホ.人間は哺乳類である

①.イとロとホ
②.イとハ
③.ハとニ
④.ロとホ
⑤.イとロとニ

答え ①.イとロとホ

 

こんな感じ。

答えを丸暗記するような学習方法だと、合格は難しい資格だと思います。

 

第三種冷凍機械責任者の難易度

難易度:★★★☆☆
学習期間:1~3ヶ月

第三種冷凍機械責任者の合格率は20~40%ほどです。

 

合格率としては乙四と似ているのですが、こちらは(おそらく)記念受験者が少ないにも関わらずこの数字という点でも、難易度が分かるかと思います。

 

学習方法としてはこちらも他の資格と同じで過去問メインで行けるかと思いますが、先述のとおり、クセのあるいやらしい出題が多いので、答えだけを覚えるような勉強では苦戦するかと思います。

 

ニッチな資格ということもあってか、あまり参考書の数も多くありません。

僕が取得時に使ったものは

このテキスト(僕は2冷版でしたが)を流し読みし、全体を把握して、

 

この過去問集をひたすらやりました。

5週もやればかなり得点できるようになっていると思います。

 

かなり参考となるサイトとして冷凍機械責任者試験支援サイト EchoLand-plusさんを活用するのもかなりおすすめです。

 

二種のものではありますが、具体的な取得方法についてはこちらの記事で解説しています。

 

講習を受けて科目免除するのもアリ

冷凍機の資格は事前に講習を受けることで、法令以外の科目を免除することができます。

受講料は三種で15,700円~と高額ではありますが、確実な合格を目指すなら素直に講習を受けた方が楽ですね。

 

詳細はこちらを参考にしてください。

 

ビルメン4点セットの取得順番は?

現役ビルメンとしては、何はともあれまず第二種電気工事士を取得してほしい、というのが本音ではあります。

優先度としては

二電工>>>三冷=二級ボイラー>乙四

くらいのイメージです。

 

しかし、第二種電気工事士は6月と10月の年2回しかチャンスがありません。

よって、効率よく4点セットを集めていくにはスケジューリングが重要です。

 

1年で4点セットを揃えたい!
と考える場合は、試験回数の少ない第二種電気工事士と第三種冷凍機械責任者を起点にスケジュールを立てると良いでしょう。
 
第二種電気工事士:6月 or 10月
第三種冷凍機械責任者:11月

これが起点となるので、乙四と二級ボイラーはその合間に取得していく感じですね。

 

二電工の下期は10月なので、もし下期で受ける場合は冷凍機は翌年に回すのが無難です。

(電工筆記→冷凍機→電工実技 となるので)

 

最後に

注意して欲しいことが1つあります。

それは【資格は手段であって目的ではない】と言うことです。

 

ビルメンへ就職するため、実際に免状を使用するため、など様々ありますが、

なぜ資格を取るのかをハッキリさせておかないと

いつしか資格取得が目的になってしまいます。

 

そうなると本末転倒。

 

実際は、資格があるから就職できるだとか、資格があれば逆転できる、なんてものではないケースがほとんどだと思います。

 

特に、この4点セットレベルでは「ないよりマシ」くらいの気持ちでいいかもしれないです。

もちろん、資格手当のためのような場合はちょっと話が変わりますけどね。

 

また、ビルメンに限った話ではないですが

資格取得後も勉強を続けることが重要かな、とも思います。

 

資格と実務はやっぱり異なるものですし、個人のノウハウに頼らざるを得ないという場面はやはり多いですよ。

 

以上、参考になれば嬉しいです。

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