- 第二種電気工事士(二電工)
- 危険物取扱責任者乙種4類(乙四)
- ボイラー二級技士(二級ボイラー)
- 第三種冷凍機械責任者(三冷)
ビルメンの資格は本当に必要なの?
上記の4点セットのうち、
・コンセントの設置や移設
4点セットの難易度は?
第二種電気工事士
試験は年に2回、6月ごろと10月ごろに行われています。
以前は年に1度しか受けられませんでしたが、現在では年2回の受験が可能となりました。
筆記試験と実技試験に分かれていて、筆記試験合格者がその後の実技試験に進むことができるという流れです。
第二種電気工事士の難易度
第二種電気工事士の筆記試験の合格率は50~60%ほどです。
計算問題もありますが、過去問がそのまま出題される事も多いので、試験の合格だけなら暗記で乗り切れてしまう程度の難易度ですね。
第二種電気工事士の実技試験の合格率は60~70%ほどです。
こちらは毎年13個の課題が事前に公表されて、そのうちのどれか1つがランダムで出題されるというもの。
引用:http://www.denko-kunren.jp/2014/jonson/electricity.html
実際に電線の被覆を剥いて、スイッチやコンセントなどを結線し、この画像のようなものを実際に作ります。
試験時間は40分ですが、しっかり練習していないと結構ギリギリです。
不器用な人は要練習ですね。
僕は全問題を3回ずつは通しで練習し、30分以内で施工できるようにして本番に臨みました。
第二種電気工事士は筆記と実技を合わせて、合格率60%程の資格です。
対策をちゃんとすれば必ず合格できるレベルの資格なので、ビルメンを目指すならまず第二種電気工事士の取得を目指すのがおすすめです。
具体的な学習方法についても解説していますので、是非読んでみてください。
危険物取扱責任者乙種四類
年間の試験回数も多く、ビルメンの資格の中では(おそらく)一番所持率が高いであろう
登竜門的な資格。
これを持っていると、ガソリンスタンドでのバイトにて、時給アップが見込めます(笑)
4点セット入りしているのは、
・非常用発電機の燃料にA重油(軽油)使われている
といった点が理由かと思います。
ただ、資格が生きる場面はかなり少ないというのが正直なところです。
一部、乙四にも資格手当を出す会社もありますが、金額も大したことがない(月1,000円程度)場合が多いですね。
形骸的に4点セットと呼ばれているだけで、実務的には消防設備士の方がよっぽど役立ちます。
試験回数も多いので、取ろうと思えばいつでも取れるといった感覚が強い資格です。
危険物取扱責任者乙種四類の難易度
危険物取扱責任者乙種四類の合格率は30%ほどの資格になっています。
合格率としてはあまり高くないので
「え?簡単な資格じゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし、これの実態は仕方なく受験しているやる気のない記念受験者が結構多いことが原因です。
僕の居た高校でもそうでしたが、工業高校だとクラス全員で受けに行ったりしています(笑)
そりゃ受けたくもない人が多数いるなら合格率も…というお話。
実際の難易度としてはそこまで高くなく、とにかく過去問をとけば合格できると思います。
過去問がそのまま出題されるケースも多く、合格を目指すだけならそれで十分でしょう。
体感的にも、4点セットの中では一番簡単でしたね。
テキストはAmazonレビューの評価も良いこちらがおすすめです。
本番に全く同じ問題が何問か出題されるほど精度の高い新問題が掲載されています。
ボイラーニ級技士
ボイラーを使う現場が減ってきていることもあって、需要が下がってきている資格。
実際、僕の居る現場も昔はあったそうですが、現在は跡地があるのみで熱源はヒートポンプになっています。
ですが、これはオフィスビルでの話。
温泉街など、まだまだボイラーが利用されている現場もたくさんあります。
試験自体は講習受講前でも受験できるようになったので、少しだけ敷居は下がった感じがありますね。
4点セットの中では、唯一講習の受講が必須となっている資格で、3日間の実技講習を受けなければ免状が発行されません。働きながら取得するには地味に面倒かも。
(やたら僻地に講習会場があるケースが多いです)
ボイラーニ級技士の難易度
ボイラーニ級技師の合格率は60%ほどです。
問題のレベルとしては乙四と大差なく、過去問からの出題が多いという試験傾向も同じです。
試験の合格だけを目指すなら、とにかく過去問をしっかりやっておけば大丈夫でしょう。
むしろ、取得のために実務講習が必要なのがネックな感じです。
テキストはこれがおすすめ。
イラストが多めなので、講習を受ける前でもある程度イメージが湧きやすいです。
テキストでイメージを掴んだあとは、ひたすら過去問を流せばOKです。
第三種冷凍機械責任者
これまた需要が下がってきている資格と言われています。
理由はボイラーと同じく、冷凍機を使わない現場が増えているからです。
しかし、冷凍サイクルの仕組みや冷媒についてなど、空調の知識として持っておいて損はない資格かと思います。
ビルメンの実務においても空調のトラブルは起きやすく、テナントへの説明を行わなければならない場面は多いです。そういった時に、資格で理論武装していて助かったな~と感じた場面はかなり多いです。
また、2015年から「フロン排出抑制法」が施行されたこともあり、今後は冷凍機械責任者の需要が以前より増す可能性はありますね。
(『“十分な知見を有する者”が機器点検を行う際に自ら実施、もしくは立ち会う必要がある』という内容があり、“十分な知見を有する者”に冷凍機械責任者が含まれている)
他の4点セットの資格と比べると、
・クセのある出題方法
という理由で、個人的には一番難しく感じた資格ですね。
(僕はニ冷を持っていますが、資格の傾向としては三冷も同じです)
他の資格なら
となっているようなところを、冷凍機の場合だと
こんな感じ。
答えを丸暗記するような学習方法だと、合格は難しい資格だと思います。
第三種冷凍機械責任者の難易度
第三種冷凍機械責任者の合格率は20~40%ほどです。
合格率としては乙四と似ているのですが、こちらは(おそらく)記念受験者が少ないにも関わらずこの数字という点でも、難易度が分かるかと思います。
学習方法としてはこちらも他の資格と同じで過去問メインで行けるかと思いますが、先述のとおり、クセのあるいやらしい出題が多いので、答えだけを覚えるような勉強では苦戦するかと思います。
ニッチな資格ということもあってか、あまり参考書の数も多くありません。
僕が取得時に使ったものは
このテキスト(僕は2冷版でしたが)を流し読みし、全体を把握して、
この過去問集をひたすらやりました。
5週もやればかなり得点できるようになっていると思います。
かなり参考となるサイトとして冷凍機械責任者試験支援サイト EchoLand-plusさんを活用するのもかなりおすすめです。
二種のものではありますが、具体的な取得方法についてはこちらの記事で解説しています。
講習を受けて科目免除するのもアリ
冷凍機の資格は事前に講習を受けることで、法令以外の科目を免除することができます。
受講料は三種で15,700円~と高額ではありますが、確実な合格を目指すなら素直に講習を受けた方が楽ですね。
詳細はこちらを参考にしてください。
ビルメン4点セットの取得順番は?
現役ビルメンとしては、何はともあれまず第二種電気工事士を取得してほしい、というのが本音ではあります。
優先度としては
くらいのイメージです。
しかし、第二種電気工事士は6月と10月の年2回しかチャンスがありません。
よって、効率よく4点セットを集めていくにはスケジューリングが重要です。
第三種冷凍機械責任者:11月
これが起点となるので、乙四と二級ボイラーはその合間に取得していく感じですね。
二電工の下期は10月なので、もし下期で受ける場合は冷凍機は翌年に回すのが無難です。
(電工筆記→冷凍機→電工実技 となるので)
最後に
注意して欲しいことが1つあります。
それは【資格は手段であって目的ではない】と言うことです。
ビルメンへ就職するため、実際に免状を使用するため、など様々ありますが、
なぜ資格を取るのかをハッキリさせておかないと
いつしか資格取得が目的になってしまいます。
そうなると本末転倒。
実際は、資格があるから就職できるだとか、資格があれば逆転できる、なんてものではないケースがほとんどだと思います。
特に、この4点セットレベルでは「ないよりマシ」くらいの気持ちでいいかもしれないです。
もちろん、資格手当のためのような場合はちょっと話が変わりますけどね。
また、ビルメンに限った話ではないですが
資格取得後も勉強を続けることが重要かな、とも思います。
資格と実務はやっぱり異なるものですし、個人のノウハウに頼らざるを得ないという場面はやはり多いですよ。
以上、参考になれば嬉しいです。